食道がん・胃がん・大腸がんの治療は変わってきました。近年手技と機械の著しい進歩により、特にITナイフ、フレックスナイフ、フックナイフなどの処置具の登場は内視鏡治療に革命をもたらしました。以前は食道がん・胃がん・大腸がんの治療は全ておなかを大きく切開してがんを切除する手術(開腹手術)でした。
しかし早期(食道・胃・大腸)がんでは、お腹を切らずに内視鏡カメラにより切除するESD(内視鏡的粘膜下層切開剥離術)で治せるようになりました。ESDは病変の周囲の粘膜を切開した後、粘膜下層を剥離し病変を切除する方法で病変を一括切除出来る確実な内視鏡治療です。
(1)切除の適応
早期がん(食道がん・胃がん・大腸がん)は治療せずに放置すれば死に至る疾患です。ESDの適応となるのはリンパ節転移を認めず、潰瘍を伴わない粘膜内がん(但し、組織学的に高分化型、中分化型、乳頭状腺がんに限る)です。この条件を満たせば大きさは問いません。がんが深く浸潤している場合や未分化型がんの場合は外科的切除になります。
(2)切除方法
病変の周囲に目印をつけます(A)。
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@早期がん
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Aマーキング
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切除する範囲が広いため、粘膜下層に薬剤(粘稠度の高い薬剤:ヒアルロン酸ナトリウム)を注入し、膨隆させます(B)。
従来は生理食塩水を使用していましたが、ヒアルロン酸ナトリウムは分子量が大きく高い粘性のため長時間粘膜隆起が持続すること、物理的な圧迫止血になるため出血が少ないという特徴を持つため、これを使用しています。
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B粘膜下層にヒアルロン酸ナトリウムを注入
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C全周切開
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内視鏡の鉗子口からフレックスナイフを挿入し、高周波電流を使用しマーキングのさらに外側を切開します(C)。
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D剥離終了
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E止血剤散布
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粘膜下層を剥離し切開終了となります(D)。
切除終了後は切除面に出血がないかどうか確認します。血管を認めたら止血鉗子で処置し、術後の出血予防をします。終了後は止血剤を散布します(E)。剥離の際、病変が大きい場合や線維化を認める場合は状況に応じてITナイフやフックナイフを併用する事もあります。
治療時間は病変の大きさ、占居部位によって異なりますが、2時間〜5時間です。手術ではありませんが、普通のカメラより時間を要しますので,十分な鎮静の元でおこないます。(ほとんどの方は施行時のことは覚えていないぐらいです)。